DETAIL
日本に“ジャマイカの風”が初めて吹いた1957年を中心に描く、音楽文化の黎明記録。1957年から日本で芽生えたカリプソ、そしてその周辺に生まれた“南国のリズム”を再構築する。
かつて昭和の街角で、ほんの一瞬だけ灯った「南国の灯(ともしび)」。それは、遠いカリブ海から届いたリズムが、戦後日本の大衆文化と交差した瞬間の輝きだった。浜村美智子、沢たまき、宝とも子、江利チエミ、彼女たちの唇からこぼれた旋律が「ジャマイカ」という言葉をまだ誰も知らなかった時代に伝えた。
当時、レコード盤やSP盤に刻まれた音源の数々。その多くは一度も再発されることなく、長い年月の中で静かに眠り続けていた。本作では、それらを丁寧な修復とアーカイヴ再構成によって現在へと繋ぎ、日本における“ジャマイカン・ビート歌謡”の源流をいま改めて照らし出す。
■カリプソ娘(Calypso Joe)
原曲のエキゾチックなムードを遥かに超えた、ジャパニーズ・カリプソの最高傑作。女王・浜村美智子の真の魅力が最も引き出されたセカンド・シングル。時、マンボ・ブームを巻き起こしたビクターの名プロデューサー、磯部健雄の手腕はここでも冴えわたり、雪村いずみに続いて浜村を加え、ヒットソングを次々と放った。1957年の日本に確かに存在したカリプソ・ブーム。その最大風力の勢いを封じ込めた溝が69年の時を経ていま再び鳴り響く、世界待望の初再発。
■バナナ・ボート (Banana Boat)
これが230万枚を記録した"ジャマイカン・ビート歌謡”の源流。その澄み切ったサウンドには、時代を超える生命力が宿っている。発掘調査で見つかった録音風景の小さな写真には、吊り下がるマイクの前に凛と立つ浜村美智子の姿があった。ウエストを細いベルトで締めた白のワンピースに同色のカーディガン。横には楽譜を手にしたブライト・リズム・ボーイズが映る。なお、メジャーリーグでおなじみの掛け声「デーオ!」は、この曲から世界へ広まったものである。原題は「Day-O」。プリンス・バスターは60年代に数テイクのカヴァーを録音している。
■盤コンディション M/M
■P/Sコンディション M
■PANJA RECORDS